花についての話 |
ナルキッソスは誰も愛することが出来ない美少年でした。その美しい容姿から、様々な相手に言い寄られても、傲慢に跳ね除けて恨みをかっていました。復讐の女神ネメシスは人々のナルキッソスへの恨みの気持ちを聞き入れ、誰も愛することの出来なかったナルキッソスが、自分だけは愛することができるようにしてしまいます。
ある日、水面を覗き込んだナルキッソスは、水鏡に映る自分の姿に恋をしてしまいます。そのまま水の中の美少年から離れることができなくなってしまいます。水に映る美少年がナルキッソスの気持ちに応えてくれるはずもなく、やがて憔悴しきってやせ細って死んでしまいます。そのあとには、水面をのぞきこむように、水仙の花が咲いたのです。 自己愛のことをナルシストと呼ぶのはこの物語から由来しています。 |