花についての話 |
ドイツの伝説です。昔、一人の若い騎士が恋人とドナウ河の岸辺を散歩していました。そのとき恋人が、一束の美しい青い花が河の中を流れさっていくのを見つけ、それをほしがったので、誇り高い騎士は気軽にクツを脱ぎ、すぐに河に飛び込みました。しかし、流れは思ったより速く、ヨロイを着ていた騎士は、花をつかんだ後、体の自由を失い、流れに巻き込まれてしまったのです。騎士は、力を振り絞って、その花を恋人の足元に投げ「私を忘れないで」と叫ぶと流れに吸い込まれてしまいました。恋人は、その約束を守り、騎士を忘れずに、髪に花を飾り続けたということです。 |