花についての話 |
12月25日のこと。羊飼い達が『救世主がお生まれになった』と馬小屋へと急いでいました。貧しい羊飼いの少女も皆のあとについて馬小屋へ行くと、生まれたばかりですやすやと眠っている赤ちゃんを囲み、皆がお祝いを述べ、美しい贈り物を3人の博士が捧げていました。
少女はなんだか悲しい気持ちになり、そのまま羊のところに戻ってしまいました。すると目の前に天使が現れ『どうして悲しんでいるのか』とたずねました。少女は『とても嬉しいのにお祝いの品が私には何もないの』と答えました。すると天使は手にしていた白ユリを一振りすると、足元一面に、真っ白なクリスマスローズが咲き乱れました。
少女は喜び、クリスマスローズを両手いっぱいに摘み取って、生まれたばかりの小さなキリストに捧げました。すると、それまですやすやと眠っていたキリストが目を覚まし、少女が捧げた真っ白な美しい花に小さな手を差し伸べ、にっこりと微笑んだのです。 |